漆黒の戦士
いつもと違う道を一人で歩いていたら突然何者かに襲われた。
なんか声がするなーって思ったら頭に鈍痛が走ったんだ。
前方にいる黒い物体、聞き覚えのある声。
カラスだと確信した。どうやら足の部分で攻撃されたようだ。
背後から頭部を狙って来るなんて許せねえ!
やられっぱなしじゃ後輩に示しがつかない。
キッチリ落とし前をつけさせてやる。と、思った。
とはいえ奴らは空中戦を得意としている。しかも集団だ。
対してオレっちは空も飛べねえ。全くもって卑怯極まる。
突然のことで実はあまり状況を把握しておらず多少怯えぎみで
(え、これ血とか出てないよなぁ・・・?)などと考えていた僕を奴らはまだ威嚇している。
今にも背後から飛びかかって来そうだ。
そこである作戦を思いついた。所詮奴の攻撃は体当たり。
ならば相手の攻撃に合わせてバッグで殴ってやろう。
そう、カウンターである。
後方メートル程の距離から威嚇しているカラス。バッグを構える私。
睨み合うふたり。
跳びかかるカラス!突き出されるバッグ!
やったか・・・?
・・・やってない。避けられた!
相手は野生だ。やはり分が悪い。後頭部をバッグでガードしながら逃げた。
そんなこんなで奴らの領域を抜けることに成功した。
情けない。後輩がいなくて本当によかった。
P.S.
4月~7月のカラスは子育て中のようで外敵に対して攻撃的になるそうです。
小刻みに鳴くような威嚇が聞こえたらそこは通らないほうが良さげです。
あと、そこを通る人のリアクションを遠くから眺めていると、
とてもおもしろいのでオススメです。